この記事を書いた人 - 池田 康希(LaFree)
この記事を書いた人
池田 康希 / Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント/転職支援事業責任者
全国約 3万社 の中から
「信頼できるエージェント14社」へ選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。
短期離職経験者の支援に特化したキャリアコーチングサービス『LaFree』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。
「信頼できるエージェント」に選出された経験をもとに、自己理解から長く働くことができる職場選びまで一貫して徹底サポートしている。
保有資格
- 国家資格キャリアコンサルタント
- メンタルヘルスマネジメントⅡ種
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この記事でわかること
- キャリアプランが思いつかない主な原因
- Will・Can・Mustを使ったキャリアプランの整理手順
- 営業・エンジニア・事務・企画の職種別例文
- 一人で行き詰まったときの次の一手
この記事が向いている人
- 面接や社内面談でキャリアプランを聞かれて困っている人
- 将来やりたいことが見えず、キャリアプランが描けない人
- 自己分析はしたが、プランとして言語化できない人
- 転職を考えているが、軸が定まらず動けずにいる人
「5年後・10年後のキャリアプランを教えてください」——面接でも社内面談でも、頻繁に問われるこの質問に、言葉が出てこない人は少なくありません。厚生労働省のジョブ・カード関連調査では、約50%の人がキャリアプランを「考えたことがない」と回答しており、思いつかないこと自体はめずらしい状態ではありません。
ただ、面接本番や面談の場で「特に考えていません」とは言えない。そのプレッシャーがさらに思考を止めてしまいます。
この記事では、キャリアプランが思いつかない理由を整理したうえで、実際に使える考え方のフレームと職種別の例文を紹介します。
キャリアプランが思いつかない3つの理由
キャリアプランが出てこないときは、たいていいくつかの理由が重なっています。
一つ目は、自己理解が不十分な状態です。「やりたいこと」を問われてもすぐに答えが出ない場合、そもそも自分の強みや価値観を言語化する作業が不足しています。キャリアプランは「未来の希望」だけで作るものではなく、「過去の経験と現在の強み」を起点にして描くものです。その土台がないと、どんなに考えても言葉が出てきません。
二つ目は、「正解を探そうとしすぎている」状態です。キャリアプランに唯一の正解はありません。しかし完璧なプランを作ろうとするあまり、何も書けなくなるパターンは非常に多いです。面接官や上司が求めているのは「完成されたビジョン」ではなく、「自分なりの方向性と、その根拠」です。
三つ目は、情報と選択肢が多すぎることです。転職市場の情報、SNS上のキャリア論、さまざまな働き方の事例——情報が多いほど、かえって自分の軸が見えにくくなります。何かを決めようとするたびに「他にもっといい選択肢があるのでは」と迷い、思考が止まります。
Will・Can・Mustで整理する3ステップ
キャリアプランを作るときに広く使われているのが「Will・Can・Must」のフレームワークです。シンプルですが、思考を整理するうえで非常に有効です。
Step1:Will(やりたいこと)を書き出す
将来どうなりたいか、どんな仕事をしていたいか、何に喜びを感じるかを書き出します。ポイントは「実現可能かどうか」を気にしないことです。この段階では直感で出てきた言葉をそのまま並べます。「人の役に立つ仕事がしたい」「専門性を深めたい」「チームをまとめる立場になりたい」など、どんな粒度でも構いません。
Step2:Can(できること)を整理する
これまでの経験・実績・スキルを振り返ります。「今の仕事で成果を出せたこと」「周囲から評価されること」「他の人より自然にできること」を洗い出します。資格や専門知識だけでなく、コミュニケーション能力・問題解決力・継続力なども含めて考えます。
Step3:Must(求められること)と照合する
志望先や現在の職場が求める人物像・スキルと、自分のWillとCanの重なりを確認します。この重なり部分がキャリアプランの核になります。「自分がやりたく、かつできることで、会社にも貢献できる方向」が見えてくれば、言語化はぐっと楽になります。
職種別キャリアプラン例文
以下の例文は、面接・社内面談での回答として活用できます。自分の状況に合わせてアレンジしてください。
営業職
「現在は担当顧客への提案営業を通じて、課題のヒアリングから提案・クロージングまでを経験してきました。今後3年間は、より大規模な顧客を担当できるスキルを身につけ、5年後にはチームリーダーとして後輩の育成にも携わりたいと考えています。長期的には、営業の経験を活かして、顧客の事業そのものをサポートできるコンサルティング的な役割を担うことが目標です。」
エンジニア職
「バックエンド開発を中心に経験を積んできており、直近はシステム設計にも携わる機会が増えました。今後はアーキテクチャ設計ができるレベルまでスキルを高め、3年以内にテックリードとして開発チーム全体の技術方針に関われるポジションを目指しています。将来的には、技術とビジネスの両側面から事業に貢献できるエンジニアになることが理想です。」
事務・管理職
「これまで経理・労務を中心に幅広いバックオフィス業務に携わってきました。今後は、業務効率化やデジタル化推進にも関わり、単なるオペレーション担当ではなく、組織運営の改善に貢献できる人材を目指しています。3〜5年後には、チームのマネジメントも担えるよう、マネジメントスキルの習得にも取り組んでいきたいと考えています。」
企画・マーケティング職
「現在はSNS運用とコンテンツ企画を担当しています。今後は数値分析やユーザーインサイトの読み取りを強化し、マーケティング戦略の立案にも関われるスキルを身につけたいと考えています。3年後には、商品企画や事業開発にも携わり、顧客の声を起点にした事業成長に貢献できる存在になることが目標です。」
例文を「自分のもの」にする3つのポイント
例文はあくまでひな型です。そのまま使うと「借りてきた言葉」になり、面接では深掘りされたときに答えられなくなります。自分のキャリアプランとして機能させるために、以下の3点を意識してください。
まず、過去の経験と結びつけることです。「なぜその方向を目指すのか」の根拠を、自分のキャリア経験から引っ張ってくることで、説得力が大きく上がります。次に、数字や期間を入れることです。「3年後に〇〇を達成したい」という具体性が、プランの現実感を高めます。最後に、志望先のニーズと接続することです。自分のWillとCanが、相手のMustとどう重なるかを明示すると、面接官や上司に刺さる回答になります。
体験談|Cさん(27歳・女性)
社内面談でキャリアプランを聞かれるたびに、「特に決まっていません」と答えてきました。嘘ではないのですが、そのたびに自分がなんとなく情けない気持ちになって、でもどうすればいいかわからなくて、ずっとそのままでした。
LaFreeに相談したのは転職を考え始めたタイミングでしたが、最初の60分は転職の話よりも「自分がどんな瞬間にやりがいを感じてきたか」を掘り下げることに使いました。過去の仕事を一つひとつ振り返るうちに、「人の成長に関わる仕事が好き」という軸が見えてきて、初めて「将来は人材育成に関わりたい」という言葉が自然に出てきました。面接でキャリアプランを聞かれたとき、初めて自分の言葉で答えられた気がしました。
まとめ
キャリアプランが思いつかないのは、考える力がないからではありません。整理する順序とフレームを知らないか、自己理解の材料がまだ揃っていないだけです。
Will・Can・Mustで思考を分解し、過去の経験を棚卸しすることで、ほとんどの人は「自分なりの方向性」を言語化できます。ただ、一人で作業を進めると、どうしても思考が内側に閉じてしまい、堂々巡りになりがちです。
「考えてみたが行き詰まった」「例文を参考にしたが自分の言葉にならない」という段階に来たら、プロとの対話を活用してください。第三者の視点が入ることで、自分では気づけなかった強みや方向性が見えてくることがあります。