この記事を書いた人 - 池田 康希(LaFree)
この記事を書いた人
池田 康希 / Koki Ikeda
国家資格キャリアコンサルタント/転職支援事業責任者
全国約 3万社 の中から
「信頼できるエージェント14社」へ選出
日本最大手通信キャリアでの就業を経てAITAIDに参画。
短期離職経験者の支援に特化したキャリアコーチングサービス『LaFree』の立ち上げを行い、事業推進に加えて自身もキャリアコンサルタントとして累計 1,000名以上 のキャリア支援に従事。
「信頼できるエージェント」に選出された経験をもとに、自己理解から長く働くことができる職場選びまで一貫して徹底サポートしている。
保有資格
- 国家資格キャリアコンサルタント
- メンタルヘルスマネジメントⅡ種
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この記事でわかること
- エンジニアのキャリアプランが描けなくなる原因
- スペシャリスト・マネジメント・キャリアチェンジの3方向の考え方
- 技術変化への不安をキャリアの行動に変える方法
この記事が向いている人
- エンジニアとして働いているが、このまま技術を追い続けるべきか迷っている方
- マネジメントに進むか技術を極めるか判断がつかない方
- キャリアプランを聞かれても答えられず焦りを感じている方
エンジニアのキャリアプランが描けないのは「技術力の問題」ではない
エンジニアとして数年働くと、ふと立ち止まる瞬間があります。「このまま技術を追い続けていいのか」「マネジメントに進むべきなのか」「そもそも何を目指したいのかわからない」。この感覚は珍しいものではありません。
レバテックが2024年にITエンジニア359名を対象に実施した調査では、約63%が将来のキャリアに不安を感じていると回答しています。不安の内訳で最も多かったのは「技術進化の速さに追いつけないこと」(19.0%)、次いで「給与や報酬が上がりにくいこと」(17.4%)、「生成AIなどにより自身の業務が代替される可能性があること」(16.0%)でした。
つまり、キャリアプランが描けない原因は技術力の不足ではなく、「変化が速すぎて、どこに軸を置けばいいかわからない」という状況にあるのです。技術トレンドは数年で変わりますが、キャリアの軸は技術ではなく「自分がどんな働き方に価値を感じるか」から定まります。
エンジニアのキャリアには3つの方向性がある
キャリアプランを考える前に、エンジニアのキャリアが大きく3つの方向に分かれることを押さえておきましょう。どれが正解ということはなく、自分の志向と照らし合わせて考えることが重要です。
スペシャリスト|技術で課題を解く人
特定の技術領域に深く入り込み、設計判断や技術選定でチームをリードしていく方向です。テックリード、アーキテクト、SREなどが代表的なポジションにあたります。コードを書くことそのものが好きな人、技術的な難題を解くことにやりがいを感じる人に向いています。ただし、スペシャリストとして市場価値を維持するには、特定技術の深掘りだけでなく、隣接領域への理解を広げ続ける姿勢が求められます。「得意な技術×ビジネスへの接続力」がスペシャリストの市場価値を決めると言っても過言ではありません。
マネジメント|人とプロジェクトを動かす人
エンジニアリングマネージャー(EM)やプロジェクトマネージャー(PM)として、チームの生産性を最大化する方向です。パーソル総合研究所の調査によると、ITエンジニアのキャリア不安の1位は「自分の技術やスキルの陳腐化」(46.5%)でした。マネジメントに進むことで技術の最前線から離れるのではないかという不安を抱える人は少なくありません。しかし実際には、技術を理解したうえでチームの方向性を示す「技術とマネジメントの橋渡し役」が現場で最も求められています。「後輩の成長に関わるとやりがいを感じる」「プロジェクト全体の課題を整理するのが得意」と感じる人は、マネジメントの適性がある可能性があります。
キャリアチェンジ|技術知見を別の領域で活かす人
エンジニアの経験を土台に、ITコンサルタント、プロダクトマネージャー(PdM)、データサイエンティスト、カスタマーサクセスなど、別の職種に移る方向です。「コードを書くよりも、課題を定義する側に回りたい」「技術を使う側よりも、ビジネスの仕組みを作る側に興味がある」と感じ始めたら、この方向を検討する段階かもしれません。キャリアチェンジを成功させるポイントは、「今持っている技術知見がどの領域で武器になるか」を正確に把握することです。ここが曖昧なまま動くと、せっかくの強みを活かしきれない転職になるリスクがあります。
方向性を決める前に必要な「自分の軸」の見つけ方
3つの方向性を知っても、「自分がどれに向いているかわからない」という人がほとんどです。キャリアプランは「正解を探す作業」ではなく、「自分の判断基準を言語化する作業」です。
「最も充実していた場面」から逆算する
これまでの業務経験のなかで「最も充実していた場面」を思い出してください。それが「難しいバグを一人で解決した瞬間」であればスペシャリスト寄り、「チームの仕組みを変えてプロジェクトが回り始めた瞬間」であればマネジメント寄り、「技術以外の領域で自分の知見が役に立った瞬間」であればキャリアチェンジ寄りの志向と言えます。
「何を避けたいか」を言語化する
やりたいことが曖昧でも、避けたいことは意外と明確に出てくるものです。「同じ技術スタックを何年も繰り返すのが辛い」のか、「人の評価やチーム調整が苦手」なのか。避けたい方向を明確にするだけで、選択肢は自然に絞り込まれます。
レバテックの同調査では、ITエンジニアのやりがいとして「新しい技術を学び、スキルを向上させること」が52.4%で最多でした。一方で、約7割が「学習時間を確保できていない」と回答しています。やりたいことと現実のギャップが大きいとき、それを「環境の問題」と捉えるか「方向性を見直すサイン」と捉えるかで、キャリアの次の一手は変わります。
体験談
SIerでインフラエンジニアとして4年間勤務していました。業務はルーティン化し、上流工程に進むにはマネジメント寄りのポジションしか社内に選択肢がなく、「技術を深めたいのにこのままでいいのか」と悩んでいました。
転職エージェントに相談しましたが、紹介されるのは似たような求人ばかりで、根本的な方向性の整理にはなりませんでした。その後、キャリアコーチングを受けたところ、自己分析を通じて「技術そのものよりも、技術で誰かの課題を解決することにやりがいを感じていた」ことに気づきました。
結果的にスペシャリストではなくPdM(プロダクトマネージャー)を目指す方向に軸が定まり、現在は自社開発企業でPdM候補として働いています。「スペシャリストかマネジメントか」の二択で悩んでいた自分に、第三の選択肢が見えたのが大きかったです。
まとめ
エンジニアのキャリアプランが描けないのは、技術力の問題ではなく、変化の速い環境のなかで「自分の軸」が言語化できていないことが原因です。レバテックの調査でもITエンジニアの約63%が将来のキャリアに不安を感じており、その不安の中心は技術の陳腐化や代替リスクにありました。
方向性はスペシャリスト、マネジメント、キャリアチェンジの3つに整理できますが、どれを選ぶかは「過去にどんな場面で充実を感じたか」から逆算するのが最も確実です。一人で整理が難しいと感じたら、第三者の視点を借りることが有効です。
LaFreeでは、国家資格キャリアコンサルタントがエンジニア特有のキャリアの悩みにも対応しています。60分の無料相談で、技術と人生の両方を見渡せるキャリアの軸を一緒に探してみませんか。